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自然の仕組み

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2016年 08月 31日

ⅩⅢ.「五行」思想のはじまり

古代中国の人は、生活に欠かせない基本物質として、「木・火・土・金・水」の五つを考えたのです。これが漢方での「五行」(ごぎょう)という哲学思想のはじまりで、「五行説」と呼ばれています。「五行」の行には、“めぐる″という意味があり、すべての事物や現象をこの五つに分類して、それぞれの物質が、相互に依存し合い、関係し合ってめぐっていると考えたわけです。そして人の生理現象や病理的変化を理論的に説明出来るようにし、病気の予防や治療の体系を組み立てるのに応用してきたのです。
この五行説では、人の五臓との関連を分かりやすくするために、自然の摂理を基本にして、木を肝臓、火を心臓、土を脾臓、金を肺臓、水を腎臓とみなして、理論の展開をしています。また、相互関係を表す基本的な考え方として、「相生関係」「相剋関係」とがあります。

「相生」というのは、お互いに協調し、助長し、支持し合う生理現象をさします。ちょうど母が子をいつくしむ、「生む」「生まれる」のようなつながりがあるところから、『母子関係」ということもあります。
具体的にいえば、(肝臓)は、燃えて火となり、(心臓)は、灰から後には土をつくり、(脾臓)は、ときには金となり、金(肺臓)が見つかるところには(腎臓)があり、(腎臓)は、木(肝臓)を育てるという関係になります。一方の「相剋」とは、お互いに対立し、制約し合う生理現象をさし、『支配する」「支配される」の関係にあるところから、「相勝関係」ともいいます。

表を参照しながら読んで頂くとわかりやすいのですが、水剋火というのは、水は火を消し、火剋金は、火は金をとかし、金剋木は、金属は木を切り、木剋土は、木は土中の栄養分を吸い取り、土剋水は、土は水をせき止めるという関係です。

このように、宇宙を含めた地球上のすべての事物や現象は、相互に依存し合い、相対しながら、限りなくめぐっているのです。これを「輪廻」といっていますが、漢方では自然と同調し、調和しながら生きて行くことを何よりも大切に考えます。

五行色体表

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by shizennori1 | 2016-08-31 13:27 | ⅩⅢ.「五行」の思想のはじまり


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