カテゴリ:Ⅹ.皮膚からの水分の代謝を良くする方法( 1 )


2016年 08月 23日

Ⅹ.皮膚からの水分の代謝を良くする方法

皮膚は外界との接点にあって、発汗によって、体表・体内の熱と体内の水分のバランスを保っています。これを、漢方では「開ごう」と呼んでいますが、必要なだけ開き、あるいは閉じるという汗腺の働きによって体を守っているのです。
ところが、この皮膚の働きは個人によって強弱があり、概して体の弱い人は、少しの変化でも汗が出やすかったり、その逆の場合もあったりして、体内の温度調節がうまく行われない傾向にあります。体内の熱は、水の力を借りて放出されるわけですから、その水と熱とのバランスがとれている状態が健康を保つ上で大切になってきます。古書に「発汗によって病を治するときは、体にしっとりと汗をかかせるのがよろしい。流れるような玉の汗をかくときは、病は治りにくい」とあります。
これは熱病の場合をさしているのですが、熱を発散させるときには、健康な人でもこのような汗の出方が望ましいのです。ですから、水分を減らしたいときには、汗だけでなく小便で排泄させることを考えれば良いのです。

皮膚を冷やしたり、水分の摂取が多すぎると、ムクミが起こる場合があります。顔や手足などにみられるときは、皮膚に水分が停滞している場合が多く、また、体にムクミが生じているときは、内臓が関係していることが多いのです。皮膚に水分が停滞する原因には、次のような二つが考えられます。一つは、皮膚の調節機能が異常をきたし、汗腺が閉じがちになって、発散が円滑に行われないときであり、今ひとつは、体内の熱が不足して起こる場合です。
どちらにしても、蒸しタオルで皮膚を温めて機能を強めたり、心臓の方向にながれをつくる感じで乾布摩擦をするとか、軽い運動をするなどして、皮下に刺激を与えて、血行を良くしてやれば、症状が軽いものは治ります。

では、発汗に異常があるときには、どんな食事をとれば良いのでしょう。
昔は、病後には体内の余分な熱が残りがちになるからと、お粥に梅干しを食べたものですが、これは、とても良い方法なのです。温かいお粥は胃を温めて働きを回復させ、発汗力を増すからです。そして、肝臓や筋肉にこもりがちな熱を紫蘇で発散させ、同時に梅の酸味で肝臓や筋肉の働きを良くして熱を発散させますから、自然に発汗が良くなるのです。
また、前夜に酒を飲み過ぎたり過労が続いて体内に熱がこもった感じのときに、朝粥が良いというのも同じような理由からです。このようなときの朝のお粥は、胃に穀物の気を与えて働きを良くし、発散を良くしますから、体調の回復に良いわけです。

日照時間の少ない北欧で生まれたサウナ風呂も、人工的に体表を温めて皮膚に停滞している水分を発汗させ、偏在している水分を取るには良い方法です。水と熱とのバランスが良くなり、血液の流れも正常に戻すことができます。
では、体内の熱の不足でムクミが起こっているときには、どうしたら良いでしょう。

それには、乾布摩擦のほかに、体内を温めるものや辛いものを一緒に食べるなどの方法をとれば、症状を軽減することができます。こんな時には、餅の入ったお粥が良いのです。
餅には米よりも体内を温めやすい性質があるからです。これらの方法は、手軽にできますから、生活の知恵として、実行してみてください。

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by shizennori1 | 2016-08-23 17:03 | Ⅹ.皮膚からの水分の代謝を良くする方法