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自然の仕組み

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2016年 08月 22日

Ⅸ.余分な水分を溜めてはいけない

ある学説によると、平均して、男性の体重の60%、女性の場合は65%が水分であるといわれています。漢方でいう水分は、細胞内液と細胞外液と血液まで含めたものをさしており、「津液」呼んでいます。体に変調をきたして、血液が停滞すると「」を生じ、水が停滞すると「寒」、すなわち冷えを生じることについては、前に述べましたが、これをうまくコントロールしているのが、「陽気」と「陰気」です。
陽気は、皮膚に充満していて、筋肉を温めたり、皮膚を丈夫にする働きのほかに、汗腺を閉じたり、開いたりする役目も果たしています。また、陰気は、津液を動かして体の中で円滑に働かせる、うるおす作用を持っているのです。
この陰陽の気の調和によって、体温が36℃前後、血液の温度が37℃~38℃に保たれ、また臓腑の温度も一定に調節されているのです。
つまり、陽気が強く多ければ、バランスをとるために陰気は余分に必要になり、体内の水分が多くなります。
1~2才の乳幼児は、体重の80%位が水分であるといわれていますが、それは著しい成長時期なので細胞分裂がはげしく、そのために熱の消費量が多いからです。大人より少し高めの体温で、水分比率が高くなっているのも、このような理由からなのです。生理学では、季節によって、また個人によって違いはありますが、平均して呼吸から600cc、汗で500cc、小便で1200cc、大便で200cc、総量2500ccの水分が1日に排泄されているといわれています。

また、生体の熱生産は、筋肉で58%、肝臓で22%、脳・心臓・腎臓その他で20%の割合いで行われていて、そのときに水も一緒にできるといわれています。この燃焼水は一日400cc前後といわれていますから、摂取量は、全排泄量より400ccを引いた水分を摂取すれば、理論的には最適であるということになります。これは大変むずかしいことで、目安として考えればよいでしょう。このように、排泄、発散がうまく行われていれば、体内に余分な水分が貯留することはありません。
ところが、この調節機能が悪くなり、病的になると、余分な水分が体内に溜まり、血管を圧迫して血液の流れが悪くなり、いろいろな病気の原因となるのです。


by shizennori1 | 2016-08-22 16:37 | Ⅸ.余分な水分を溜めてはいけない


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